近ごろ、保育園や学校で「嘔吐や下痢の子が増えている」という声をよく聞きませんか?
実は今、全国で**感染性胃腸炎(いわゆるおなかの風邪)**の報告が急増しています。
🦠 感染性胃腸炎、今どのくらい流行しているの?
国立感染症研究所の最新週報(2025年第10週)では、全国の定点当たり報告数が10.67と、過去5年平均を上回る高い数値。
中でも保育園や幼稚園児の報告数が多く、家庭内への拡大が目立ちます。
千葉県の最新データでは、ここ数年のピークが次のように推移しています。
シーズン | ピーク報告数(定点あたり) |
---|---|
2021/22 | 8.46 |
2022/23 | 10.17 |
2023/24 | 9.38 |
2024/25 | 14.10(過去最高) |
📊 出典:千葉県衛生研究所「感染症週報」
2025年秋もすでに4〜5件/定点と、前年並みの早い立ち上がりが見られます。
👶 子どもがかかりやすい理由
感染性胃腸炎は、1〜5歳の乳幼児で特に多いのが特徴。
理由は単純で、
- 免疫がまだ未熟
- トイレ後や食事前の手洗いが十分でない
- おもちゃやタオルの共有が多い
- 嘔吐後のウイルスが空気中に舞いやすい
といった生活習慣が関係しています。
💧 主な症状と経過
- 突然の嘔吐
- 水っぽい下痢
- 微熱(38℃未満が多い)
- お腹の痛み
- ぐったり・食欲不振
多くは2〜3日で回復しますが、脱水症状に注意が必要です。
唇が乾く、尿の量が少ない、涙が出ない場合は、すぐ受診を。
🧴 感染を防ぐためにママができること
家庭内での予防が何より大切です。特に以下の3つを意識しましょう。
① 手洗いを「30秒」かけて丁寧に
流水+石けんで、指先・親指・手首までしっかり。
アルコールより石けん洗浄が効果的(ノロウイルスはアルコールに強い)。
② 吐いた時は“静かに”拭き取る
嘔吐物を勢いよく拭くとウイルスが空気中に飛び散ります。
- 使い捨て手袋+マスク着用
- ペーパータオルで静かに拭く
- 0.1%次亜塩素酸ナトリウム液(家庭用漂白剤を希釈)で消毒
使用後はすべてビニール袋に密封して廃棄。
③ 食事と調理のルール
- 二枚貝(カキなど)は中心温度85〜90℃で90秒以上加熱
- まな板・包丁は肉・魚・野菜で使い分け
- 調理者や配膳担当に症状があるときは休む
🧒 子どもが感染したときの対処法
慌てず、次の流れで対応しましょう。
① 水分補給を少しずつ
一度に飲むとすぐに吐いてしまうので、
👉 スプーン1杯ずつ・5分おきにを目安に。
経口補水液(OS-1など)や白湯がベスト。
② 食事は焦らない
嘔吐や下痢が落ち着くまでは無理に食べさせず、
- おかゆ
- すりりんご
- うどん
など、消化の良いものから少しずつ。
③ 家族内感染を防ぐ
- 嘔吐物処理後はすぐに手洗い+うがい
- タオルは共有NG(ペーパータオルがおすすめ)
- トイレの便座・ドアノブ・水洗レバーは毎回消毒
- 洗濯物は60℃以上のお湯または漂白剤使用でウイルス除去
🏥 受診の目安
次のような場合は、すぐ小児科へ。
- 水分がとれず、6時間以上尿が出ていない
- 嘔吐が止まらない・血が混じる
- 顔色が悪い・ぐったりしている
- 乳幼児・高齢者で症状が強い
登園・登校の再開は、症状がなくなってから2日以上が目安です。
📈 まとめ:ママの“早めの気づき”が家族を守る
感染性胃腸炎は、誰でも・どこでも・何度でもかかる可能性があります。
でも、「あれ?」と思ったときにすぐ行動できれば、重症化も家庭内感染も防げます。
手洗い・消毒・早めの水分補給。
この3つを、今日から家族の習慣にしていきましょう。
💡参考・出典
- 国立感染症研究所「感染症発生動向調査(IDWR)」
- 厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」
- 千葉県衛生研究所「感染症週報(2025/26シーズン)」
- 埼玉県・愛媛県 感染症情報センター 最新週報
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